製造工程
佛壇は6業種(6工程)の職人の分業体制で製造される!
製造工程 新規製作では約半年かかります。
1・木地工程
素材は杉、桧、紅松等の木材を使用します。
充分な乾燥期間を要し、割れや反りの出ない厳選された木材を使用します。
これに比べて、一般普及品の木地は機械による大量生産型が多く一つの寸法を大量ロットで生産します。産地によって価格が違うのはもちろんのこと外国で生産されるものと国内で生産されるものでは数倍以上の価格差があるといわれています。
伝統的工芸品はその規定の中に、
「昔ながらの手作りでなければならない」
「その地域のなかで作られたものでなければならない」
という規定があります。よって、伝統的工芸品 八女福島仏壇は八女の仏壇組合員が昔ながらの技法で製造した木地を使用しています。
ちなみに、右の写真は反り鉋(そりかんな)といわれる木地職人の愛用の道具です。カーブを描いたラインを仕上げるのに欠かせないものだそうです。
2・彫刻工程
ベニ松、杉、ヒバ、ホオノ木、桧等の木材を使用し、ノミや小刀などで彫刻を施します。図柄は、鳳凰、鶴、天女、孔雀等があります。
この業種も特殊で一人前になるのに10年の修行期間を要するといわれています。
この職人さんは、京都で修行された方で経験年数は50年以上だそうです。
30年位前はプラスティック製などがはびこり、職人の存在を脅かしましたが現在では、外国製の安価な彫刻が流通されています。この価格差も数倍あります。
当然、伝統的工芸品には
「その産地を形成した地域のなかで製造された部品のみを使用する」
という規定があります。よって、伝統的工芸品 八女福島仏壇は、地元の彫刻部門の仏壇組合員が製造した彫刻を使用しています。
ちなみに、左の写真は主に使う「小刀」「のみ」の道具類です。100本以上の種類を所持していて、彫る彫刻によって使い分けているそうです。今回は30本見せてもらいました。
右の写真は50年使い込んだ「のみ」です。一番長く使っている「愛用品」だとか、修行時代から使っていて、まだ、現役で活躍していますとのこと。
手前の「のみ」が原型です。研いでは使いを繰り返しこのようなかたちになったとのことです。
3・宮殿工程
宮殿は、複雑な各部品を組み合わせるもので、釘を一切使わず、すべて竹串で固定されます。
素材はベニ松、杉、ヒバ、桧等が使用されます。
宮殿は仏像等を安置する部位で華麗な屋根の形をしています。宗派により形が異なり部品の緻密さでは仏壇の部品の中では群をぬいています。
他の業種同様、10年の修行期間を要するといわれています。しかし、他の業種同様、安価な外国製に存在を脅かされています。
しかし、伝統的工芸品 八女福島仏壇は
「その産地を形成した地域のなかで製造された部品のみを使用する」
という規定があるので、地元の宮殿部門の仏壇組合員が製造した宮殿を使用しています。
4・金具工程
金具は、銅版を使用し、丹念にタガネで手加工が施されます。
金仏壇一本分に200点以上の金具が使用されます。
金具には機械プレス製が数多く出回っています。機械で大量に製造するので単価は安く仕上がります。
しかし、伝統的工芸品は手作りの部品を使用しないとその許可が下りないので、伝統的工芸品 八女福島仏壇は職人手作りのこだわりの金具を使用しています。
右の写真は金具職人の愛用のタガネです。各種、各寸法のタガネと経験を駆使し色々な模様の金具を作っていきます。
余談ですが、熟練の金具職人は、同じタガネを使って作った別人の金具でも、各人の癖があるとかで誰の作品かを言い当てることが出来るそうです。